スバルの新型フォレスターの展示車は、いくら値引きしてもらえるのでしょうか。
新型フォレスターの展示車の購入方法や、ディーラーでのやりとりなどを見てみましょう。
展示車、とはいわゆる「未登録車」。
ナンバーが付いていないことから、全く走行せず屋内で見本として公開されている車を指します。
ディーラーでは必ずカタログと展示車両をセットとしてメーカーから「購入」しており、定期的に入れ替えて販売に回してしまいます。
このような車は、実はメーカーの「指示価格」の範疇ではなく、売り出し価格を自由に決めることができますので、ディーラー社員が買うこともあります。
すべてが安いわけではなく、展示車を買うには特別なタイミングが必要となります。
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スバルは常に「遊びが足りないメーカー」だった
引用:http://media.gettyimages.com/photos/fuji-heavy-industries-ltds-subaru-forester-sportsutility-vehicle-on-picture-id494654196
開発する車すべてが注目され、日本だけでなく北米からロシア、中国から欧州まであっという間に販売が拡大しているスバル。
もともとスバル360という、愛称「てんとう虫」で大衆車ブームを作った富士重工業は、幾多の経営危機に瀕し、トヨタから出資を仰いで復活を遂げます。
現在「六連星」のオーナメントは世界でも優れたイメージを持った美しいバッジで有名ですが、このデザインが本当に似合う車は、創業以来本当に数台しかありませんでした。
その一台は「アルシオーネ」。
1985年にアメリカでデビューし、日本で直後に発売された直線的なクーペです。
今でもこのような鋭角の乗用車は相当話題になることは必定で、その性能も先進性を持っていました。
ABSの導入や低重心の水平対向エンジン、4速オートマティックトランスミッションなど、クーペ好きなアメリカ女性に受け入れられます。
ただ、この車はある意味「日本の精密な機械」を象徴しており、新しい感覚だけが独り歩きしていたのは確かでした。
スバルはレガシィがなければ、今存在していなかった
引用:http://www.subaru-global.com/ms2015/tokyo/live/images/photo/19.jpg
1989年突如姿を現したレガシィが、富士重工の危機を救ったのは、有名な話。
220psという当時としてはとてつもないパワーを搭載したレガシィは、数多くの国際レースに参戦、それもオンロードとオフロードを戦ったことから、一躍世界に名をとどろかせます。
1997年、フォレスターはレガシィ、インプレッサとヒットを飛ばした派生モデルとして出現。
SUVはどのメーカーでもラインナップに加えることで、様々な客層に販売できるメリットがあること、そして複数車を所有する人のセカンドカーとしても有用だろうという論理で生産されました。
ですが、スバルには「セカンドカー」という概念はなく、結局この車は現在ファーストカーとしてスポーツマインドむんむん、兼ファミリーカーとしても楽々自転車が搭載できるアウトドアカーとして人気となっていきます。
フォレスターほど高速性能の安定性がある車は、実は少ない
引用:http://www.carsession.com/news/photos/Subaru/Subaru-announces-three-concepts-for-2015-Tokyo-Motor-Show.jpg
低重心、という言葉があります。
重心を低く保つということは、タイヤの半径を短くしてより太いサイズを履けばいい…という簡単な話ではありません。
タイヤは地面の凹凸を拾います。
それも走りながら止まりながら、なのです。
安定性といえば、ロールスロイスの逸話、というものがあります。
ロールスロイスは何をもってローイスロイスなのか。
それはダッシュボードに置いたグラスに水を一杯に入れ、運転します。
ブレーキを踏んでも絶対に水はこぼれない。
これこそがローイスロイスのエンジンであり、シャーシだというのです。
スバルは、大衆車で、これを実現するため、水平にシリンダーを配置し、向かい合わせてピストンを動かす方式を取ります。
本当ならば奇数のシリンダーが一番安定性に良い、とされますが、これは難しいため4気筒か6気筒で現在に至ります。
これを用いているメーカーは世界でもほとんどありません。
展示車両には2つのパターンがある、その1
引用:http://car.kurumagt.com/wp-content/uploads/2015/10/s207-0017.jpg
さて、スバルディーラーでは展示されている車を「買う」ことができます。
ただ、その多くは一般のディーラーへ「卸される」のが普通です。
例えば走行距離が1kmという車がネットでも散見されます。
1kmとは、実際には公道で走っていません。
車載車に乗せられ、下される時だけ運転された、文字通りの新車です。
また、ナンバープレートも付いていなければ車検証すらありません。
ですから、新車なのです。
なのですが、ここには大きな問題もあります。
それは「ディーラー保証」がないことです。
これは半年後の法定整備点検、1年後の整備点検などディーラーが負担する初期点検が、実費となることです。
一般の中古車ディーラーでは整備はしませんので、どこかの整備工場かディーラーをかかりつけ、とする必要が出てきます。
展示車両には2つのパターンがある、その2
引用:http://allcarschannel.com/wp-content/uploads/2016/03/IMG_0089_resize.jpg
もう一つは、ディーラー内で「処分」される展示車両です。
その多くはショウルーム来訪客によってインテリアに少々汚れが付いてしまったり、子供の靴跡が消えなかったりするものなど。
実際には微細なものに留まりますが、とても新車として販売するわけにはいかなくなります。
こうした車はデモ車として試乗車に回されることもありますが、問題は「特別仕様車」の販売時期前の処分。
マイナーチェンジやアニバーサリー車が出てくると、販売するには問題あります。
カタログ落ちの車を売ってしまうことになるからです。
こうした車は減価償却の対象となり、新古車としてナンバー登録してそのまま限定1台などと売ることが多くなります。
ただ、こうした車でも未登録車はあり、社内では売らず、店長の差配で法人用に売り先を探します。
こうした情報を得るには、ディーラーに友人を作るのが大事です。
こうした車は通常よりも値引きが発生します。
展示車両は選べない。求めているグレードならラッキー
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展示車両は展示していた時間を考えて、減価償却します。
3か月ならばいくら4か月ならいくら、とするものです。
ただ、オプション設定などが限定されるケースがあります。
そのため、50万円、55万円、60万円引きなどという値引き価格が発生しやすくなります。
どうしても欲しいのだが、納車の時間を早くしたい。
だが、希望したグレードではない…といった不利な条件を仕方なく飲む、というスタンスを取れば、営業マンも申し訳なく思い、値引きに応じてくれるでしょう。
展示車両のほかには「キャンセル車両」もある
引用:http://s1.paultan.org/image/2016/04/Subaru_Forester_Girls-1-1-630×420.jpg
キャンセル車両とは、注文を受けたのに与信で引っかかったり、ローンを組んだあとに保証人がいなくなってしまった、といったケースで、契約破棄になるケースです。
乗用車系のリース会社やクレジット部門は、意外にも動産扱いにしては金融機関としての精度が弱い場合があります。
とにかく売ってしまおう!というディーラーの思惑とクレジット部門の判断の差で、問題になってしまうのは客側の多くの失点があるからなのですが、営業マンが先走って「大丈夫です」と軽く契約継続を促してしまうため、あとで問題となります。
こうしたキャンセル車両は、車両側にもたまに問題があります。
例えば、納車されてみると小傷がかなりある場合。
あるいは車載車からおろす時に損傷を負ってしまった場合。
事故車両扱いになると、値打ちが下がりますので、こうした場合にキャンセル車両が出てきます。